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豊科フイルムが「ISCC PLUS認証」を取得、バイオマスOPPフィルムの販売を開始

東洋紡株式会社公式ウェブサイト サステナブルビジョン2030より画像転載

東洋紡株式会社(大阪府大阪市)およびグループ会社の豊科フイルム株式会社(長野県安曇野市)は、このほど、持続可能な製品に関する国際的な認証の一つである「ISCC PLUS認証」を取得した。これを受け、2023年秋より、ISCC PLUS認証製品として、マスバランス方式によってバイオマス由来特性を割り当てたバイオマスOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルムの販売を開始する予定。

ISCC PLUS認証は、持続可能性および炭素に関する国際認証ISCC(International Sustainability and Carbon Certification)のうち、主にバイオマス原料やリサイクル原料について、原料から最終製品までのサプライチェーン全体を通じて、マスバランス方式で適切に管理されていることを担保するものである。

同社グループはこれまでも、植物由来の原料を一部使用した包装用フィルム「バイオプラーナ®」をはじめ、環境に配慮したフィルム製品の開発に注力してきた。今後、バイオマスフィルムの供給を強化する新たな取り組みとして、廃食用油などのバイオマス原料をマスバランス方式で管理し、バイオマス由来特性を割り当てたOPPフィルムを豊科フイルムで製造する。このバイオマスOPPフィルムは、石油由来原料のみを使用したOPPフィルムと同等の性能を持ち、主に食品包装用途で展開する。

同社グループが昨年5月26日に公表した長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」において、フィルムのグリーン化(リサイクル原料・バイオマス原料の使用や、フィルムの減容化を実現すること)比率を2030年度に60%、2050年度には100%とすることを目標の一つとして掲げている。このほどのISCC PLUS認証取得を機にバイオマス原料を使用したフィルム製品のラインアップを拡充し、循環型経済の実現に貢献できるよう努めていく。

出展:東洋紡株式会社公式ウェブサイトニュースリリースより
https://www.toyobo.co.jp/

バイオプラスチックとは

環境省「プラスチック資源循環」公式サイトより
  • バイオプラスチックには大きく2種類
    • バイオマスプラスチック(非生分解性):植物などの再生可能な有機資源を原料とするもの
    • 生分解性プラスチック(化石資源由来):微生物等の働きで最終的に二酸化炭素と水にまで分解するもの
  • バイオマスプラスチックかつ生分解性プラスチックに分類されるものもある
  • 環境省バイオプラスチック導入ロードマップでは、紙、セルロース成形品、バイオマス複合素材等などのその他のプラスチック代替素材は、バイオプラスチックとは別とし、現状と課題を整理している。
バイオマスプラスチック(再生可能な有機資源を原料に使用)
生分解性プラスチック(最終的に二酸化炭素と水に分解する)

出展:プラスチック資源循環公式サイト
~「プラスチックにかかる資源循環の促進等に関する法律」の普及啓発ページ~
https://plastic-circulation.env.go.jp

マスバランス方式とは

国際認証ISCC(International Sustainability and Carbon Certification)が認証するのは物理的分離方式(physical segregation)と、マスバランス方式(mass balance approach)の2種類。

物理的分離方式では、物理的に分けて管理されているため、完成されたものは原料から製品への加工・流通工程において全く混合されることなく製造される。

バイオマス由来原料と石油由来原料を完全分離して生産(ISCC公式サイトより転載)

マスバランス方式は、原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)がそうでない原料(例:石油由来原料)と混合されるが、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う。

原料から製品への加工・流通工程において記帳管理されたうえで生産(画像:ISCC公式サイトより転載)
割合に応じて一部を認証とする(画像:ISCC公式サイトより転載)

国際認証ISCC(International Sustainability and Carbon Certification)公式サイトより
https://www.iscc-system.org


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