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脱炭素選考地域とは
環境省「脱炭素先行地域」の公募に日本全国の102の地方公共団体から79件の計画提案があり、このうち26の提案が第一回選定として発表された。県内では松本市(信州大学、大野川区(安曇)との共同提案)の、のりくら高原「ゼロカーボンパーク」が採択された。
2030年度までに、家庭部門及び業務その他部門の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロを実現するとともに、運輸部門や熱利用等も含めてそのほかの温室効果ガス排出削減についても地域特性に応じて実行し、日本国内全体としての2030年度目標と整合する削減を目標とする。
提案の概要
宿泊施設・飲食店等を含めた全民生需要家の屋根を活用した太陽光発電と、地域主導型・地域裨益型の小水力発電施設の導入により脱炭素化を図る。また、宿泊施設等へはEV、EVバス、木質バイオマスストーブ等を導入。観光客等が利用するE-bikeやグリーンスローモビリティを導入し、環境配慮型二次交通を構築。あわせて木材加工や供給を行う地域ビジネスの事業化を図る。
1.民生部門電力の脱炭素化に関する主な取組
- 各施設の屋根等に太陽光発電設備や蓄電池を導入。すべての住宅、公共施設等の需要家において相対契約により地域内太陽光発電設備及び小水力発電由来の再エネ電力を調達。
- 地域主導型・地域裨益型の小水力発電施設を小大野川に設置
2.民生部門電力以外の脱炭素化に関する主な取組
- 環境配慮型二次交通として、E-bike(電動アシスト自転車)やグリーンスローモビリティ(時速20km未満で公道を走ることができる、電動車を活用した小さな移動サービス)などのサービスを構築。地域住民や宿泊施設のEVへの切り替え促進などを積極的に展開。
- 熱源利用として、地域資源を活用した木質バイオマス(薪)ストーブを導入。同時に断熱改修を行うことにより高効率空調化する。
- 「木の駅」プロジェクトとして、のりくら高原ミライズ構想協議会のサポートの下、山岳景観を阻害する樹木の伐採と、その間伐材を木材加工し、薪ストーブ燃料として供給する地域ビジネスとして事業化する。
- 地元信州大学と連携し、ゼロカーボン集落点検と連動したインナーブランディングを推進することで、地域コミュニティ全体の価値転換と再エネ意識の高揚を図る。
3.取り組みにより期待される主な効果
- 地域内に設置する小水力発電施設は、収益の一部が地域の収入源として半永続的に入る仕組を構築し、地域裨益型の再エネ施設として活用。収入は、松本市街地の高校に通学する生徒の最寄り駅への送迎等、地域の課題解決への活用を想定するなど、将来世代に有用な地域資産として継承。
- ゼロカーボンを体現する移動手段等の提供等により、世界水準のサステナブルツーリズムモデルを構築し、世界に冠たるゼロカーボンパークを形成。富裕層など、長期滞在が見込まれる来訪者層を獲得し、観光業の底上げを推進。
4.主な取り組みのスケジュール
環境省報道発表資料
脱炭素先行地域選定結果(第1回)について
https://www.env.go.jp/press/110988.html