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長野県の経済動向〔2024年7月1日〕

目次

今月の県内経済総括

長野県経済は、一部に弱めの動きがみられるものの、持ち直している。

財務省関東財務局長野財務事務所

最終需要の動向をみると、設備投資は堅調に推移している。また、個人消費は緩やかに増加している。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は増加している。
この間、生産は弱めの動きとなっている。雇用・所得は持ち直している。
企業の業況感は、幾分悪化している。

住宅投資 住宅投資は弱めの動きとなっている。
設備投資設備投資は堅調に推移している。
設備投資は、24年度は前年度を下回る計画となっている。
輸出は、24年度は前年度を上回る計画となっている。
企業収益は、24年度は前年度を下回る計画となっている。
個人消費 個人消費は緩やかに増加している。
県内大型小売店(百貨店、スーパー)売上高(当店調べ<店舗調整前>)は緩やかに増加している。家電販売額は横ばい圏内の動きとなっている。新車登録台数は持ち直している。サービス消費は緩やかに回復している。
生産生産は弱めの動きとなっている。
半導体関連・電子部品等は弱めの動きとなっている。
自動車関連は持ち直している。
機械・同関連部品等をみると、計器、工作機械、成形機およびバルブは横ばい圏内の動きとなっている。
飲料は横ばい圏内の動きとなっている。
雇用・所得雇用・所得は持ち直している。
有効求人倍率は、下げ止まりつつある。雇用者所得および就業者数は、前年を上回っている。
公共投資公共投資は緩やかに増加している。
物価消費者物価指数(除く生鮮食品)をみると、24/5月は前年を上回っている。
貸出金 貸出残高は、前年比で0%台前半のマイナスとなっている。
貸出約定平均金利は、緩やかに上昇している。
預金 預金残高は、個人預金の増加により、前年比で1%台のプラスとなっている。

企業等の主な声(関東甲信越地域抜粋)

公共投資

・高速道路などのインフラ整備の大型工事案件がコンスタントにみられていることから、県内の公共工事はこのところ緩やかに増加している(松本)。

輸出

・電子部品の輸出は、EV化の進展や先進運転支援システムの普及に伴い車載向けが好調なため、欧米向けを中心に増加。先行きは、グローバルでのAI市場の拡大に伴いデータセンター向けも増加する見込み(前橋[電子部品・デバイス])。
・世界的なスマホ・PC需要の低迷長期化から、当初計画よりも弱い動きとなっているが、夏ごろから回復していく見通し(新潟[電気機械])。
・海外メーカーが生産能力を増強するもとで、アジア圏における汎用品の市況軟化につながっており、国内生産に対する調整圧力となっている(本店[化学])。
・アジア圏では、安価な海外メーカーとの競合から、相当なシェアを奪われている。日本からは多くの製品を輸出していることから、今後アジア圏向けの輸出が影響を受けかねない(横浜[輸送用機械])。

設備投資

・半導体関連の需要拡大を見据えて生産拠点を新設する計画(甲府[生産用機械])。
・作業工程の大部分を人手に頼ってきたが、足もとの人件費上昇や人手確保の困難化を踏まえ、機械設備導入やデジタル化による省人化を実施(本店[金属製品])。
・宿泊需要と業績が回復してきた中、客室改装を実施。室内設備の充実にあわせて客室単価を引き上げたことで、利益率も改善している(松本[宿泊])。
・積極的な新規出店により業容を拡大してきたが、最近は人手不足により営業人員を確保できず、出店ペースを極端に抑えざるを得ない(横浜[対個人サービス])。

個人消費等

・値上げを進めてきたもとでも、地元客の宴会需要や観光客の来店回復が続いており、売上は好調に推移している(松本[飲食])。
・物価高を背景とする消費の節約が指摘されているが、高価格帯の客室から予約が埋まっていく傾向は続いており、メリハリ消費の動きがみられる(水戸[宿泊])。
・高品質な家事サービスが評価され、人件費の価格転嫁による値上げ後も、新規受注を断らざるを得ないほどの旺盛な需要が継続している(本店[対個人サービス])。
・高額品は富裕層やインバウンドの需要が強く、引き続き絶好調。最近では、東京都内の百貨店がインバウンドの集中で、混雑している上に品薄となっているた
め、需要が当地へこぼれてきている可能性もある(横浜[百貨店])。
・仕入価格の上昇に伴って多くの商品で値上げを進める中、プライベートブランド商品はできるだけ価格を据え置き、値ごろ感を出している。節約志向を強めてい
る消費者の支持を受けて、来店客数が増え、売上は増加傾向(新潟[スーパー])。
・物価高を受けた消費者の生活防衛意識の高まりを背景に、価格据え置き戦略をとる当社へスーパーなどから顧客がシフトしている(横浜[ドラッグストア])。
・新車販売台数は、完成車メーカーの工場稼働停止の影響が縮小している一方、新たに一部車種の不具合に伴う出荷停止が発生したため減少。受注残が積み上がっているため、出荷再開後は販売台数が回復する見込み(前橋[自動車販売])。
・消費者の生活防衛意識などを反映し、主力の白物家電の販売が振るわないなど、低水準横ばい圏内の動きが継続している(水戸[家電販売])。
・これまでは省人化などの経営努力によりコスト上昇を吸収してきたものの、足もとの人手不足による人件費上昇を受けて、価格改定に踏み切った(本店[飲食])。
・電気代・人件費の上昇分を価格転嫁し、入場料金を引き上げた。その際、客足が遠のくのをおそれ、値上げ幅やタイミングは慎重に判断した(新潟[観光施設])。
・競合他社の価格改定もあり、値上げしやすい環境にあるため、新規出店など先行きの業容拡大を見据えた値上げを実施(本店[対個人サービス])。
・原材料価格の上昇一服から、再値上げは当面想定していなかった。ただし、最近の為替円安を受け、既に収益が下振れており、次の値上げを前倒しで行うかどうかを検討している(本店[食料品])。
・為替円安によりインバウンドの購買力が増大する中、将来的に一部の店舗でインバウンド団体客向けに特別価格のメニューを提供することを検討(横浜[飲食])。
・優秀な講師確保のためには継続的な賃上げおよび授業料の値上げが必要と認識しており、すでに社内では、来年の上げ幅を議論している(本店[対個人サービス])。

住宅投資

・資材価格や建築コストの高騰を受けた住宅価格の上昇などを背景として、住宅需要は弱い状態が続いている(甲府)。

生産

・一時的な生産トラブル等で稼働率が低下したものの、大量の受注残を背景に過去最高水準まで稼働率を引き上げる計画(横浜[輸送用機械])。
・受注は、低水準で推移してきたものの、昨年後半からは、生成AI関連のデータセンター向けで増加傾向にある(甲府[電子部品・デバイス])。
・完成車メーカーの生産再開を受けて、足もとの自動車部品の受注・生産は回復している。ただし、再び一部メーカーの生産が停止しているため、今後の受注への影響を懸念している(松本[輸送用機械])。
・政府の働きかけなどもあり、大企業では、中小企業からの価格転嫁の受け入れに前向きなスタンスの先が増えている。一方、中小企業間の価格交渉では、依然として人件費等の価格転嫁が進んでいないケースも少なくない(横浜[経済団体])。
・完成車メーカーが価格転嫁の容認姿勢を強めるもと、原材料費やエネルギーコストに加え、足もとでは人件費の上昇分も販売価格へ転嫁できた(松本[輸送用機械])。

雇用・所得

・運送業界における働き方改革への対応を進める中、必要人員の確保難を受けて、大規模なダイヤ改正を実施し、路線バスの減便を行った(横浜[運輸])。
・転職後の賃金が転職前を上回るケースが増えているもと、転職市場は引き続き活発な動きとなっている。先行きも、タイトな労働需給と雇用の流動化がドライバーとなり、賃金上昇の傾向が続くと見込まれる(本店[人材サービス])。
・人材係留のため、組合からの要求に満額回答する予定。業界内で少ない人材を奪い合う構図となっており、今後も賃金は上昇傾向が続くだろう(新潟[運輸])。
・今年は積極的な値上げにより原資を確保したうえで、前年を上回る賃上げを実施。優秀な人材確保のためには継続的な賃上げが必要と考えており、諸コストの上昇への対応を含めて更なる値上げも検討している(本店[飲食])。
・他社の動向を踏まえ、人材係留の観点からやむを得ず賃上げを実施したが、人件費の上昇に見合う価格転嫁ができておらず、収益は非常に厳しい(松本[卸売])。
・需要が鈍化している部門の従業員は、リスキリングを進めたうえで、生産が拡大しているEV関連部門へ異動しており、生産性が向上している(横浜[生産用機械])。
・同業他社を買収して事業拡大を図るケースに加えて、被買収先の人材などの経営資源を目当てとするM&Aが増加している(本店[対事業所サービス])。

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