日置電機株式会社(長野県上田市。以下HIOKI)EV(電気自動車)の開発やメンテナンスの市場に向けて、組み込み型データロガー、電流センサー、EV メンテナンス用の計測器キットなどの新製品を発売した。国内のEV新車販売台数は、前年比五割増しとなる大幅な増加。国際エネルギー機関(IEA)では2023 年末に世界のEV 販売台数が1,400 万台を突破すると予想している。急拡大する国内市場に、先行してソリューションを提供し、今後の海外展開も見据えている。
目次
データロガー LR8101(基本機能モデル)およびLR8102(高機能モデル)
バッテリー充放電試験に最適な組み込み型データロガー
EV のバッテリーは多くのバッテリーセルによって構成されており、充放電試験によって各セルの電圧や温度の挙動を把握する必要がある。現在の主流であるEVバッテリー電圧は400Vに変わる、より高電圧な800Vのバッテリーは、航続距離延伸や充電時間短縮など利点も多い一方、故障や感電、火災などのリスク増加という問題もあるため、より安全かつ効率的に計測が可能なデータロガーが必要とされる。
- 最大3,000 チャネル
- EV バッテリーを構成するすべてのバッテリーセルの計測が可能
- IEC61010 安全規格に準拠したDC1,500V の絶縁性能により安全な計測を実現
- 制御デバイスや試験用電源なども組み込まれている
- LR8102 はUDP、CAN など様々な通信プロトコルに対応
車載電装機器の電力を正確に計測できる電流センサー
車載電装機器の電力を正確に計測できる電流センサー
EV 開発における最重要テーマのひとつが、航続距離延伸であり、効率的なエネルギーの利用のためには、EV の駆動モーターの消費エネルギーだけでなく、待機電流の消費エネルギーも削減が求められる。各自動車メーカーはさまざまな走行条件における電装機器の消費電力を計測する必要があるが、従来の電流センサーでは、電源装置周辺の狭い場所に入らないというサイズの課題や、経時変化による誤差の増大などの課題があったが、本製品ではこれらの消費電力評価の課題へのソリューションを提供する。
いずれもメモリハイロガーLR8450 向け追加オプションの電流センサーで、最大11 台までのモジュールを接続できるLR8450 で多数の車載電装品の電流を同時に記録できる。
CT7812(AC/DCカレントセンサ 2A)
CT7822(AC/DCカレントセンサ 20A)
- 人差し指サイズの小型高確度電流センサー
- 配線を切断せずに電流を計測可能なため、効率よく設置できて電装機器の動作にも影響がない
- 経時変化や温度変化による誤差が小さく、高確度で長時間の消費電流を記録
ワイヤレス電流モジュールLR8536(無線LAN接続)
電流モジュールU8556(直接接続)
- 電流センサーからの計測信号をデジタルデータにして記録