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信州大工学部、結晶育成技術「フラックス法」でコバルト酸リチウムの量産化に成功

信州大学工学キャンパス
信州大学工学キャンパス 信州大学ホームページより転載

信州大学工学部(長野市)の是津信行教授が、リチウムイオンバッテリーの電極材料として使われる「コバルト酸リチウム」を量産化することに成功した。

量産化の技術である「フラックス法」は、高温で加熱した溶液を冷却しながら物質を結晶化させるのが特徴。この技術は信大が確立していたが、完成に3日ほどかかることや、一度に製造できる量が少なく産業用としては広がっていなかった。

是津教授は2017年に量産化の研究に着手。原料の配合や加熱に使う電気炉の温度、加熱時間などを工夫し、一度に1キロを製造する方法を考案。従来と比べて、バッテリーパワーを高めたり、劣化を抑える効果が高く、充電速度も速まるという。

5月に設立した信大発ベンチャー「信州ボルタ株式会社」(長野市)が製品化し、今月8日に販売を開始。同社は、電気自動車(EV)などのバッテリー向けの電極材料と、炭素繊維カーボンナノチューブを使った電極材料も製品化。来年をめどに海外にも販売網を広げる予定。

コバルト酸リチウムを電気炉で製造する是津教授
コバルト酸リチウムを電気炉で製造する是津教授 信毎WEBより転載

(参考・引用:2021年11月13日信濃毎日新聞 信州経済発)

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