IHIアグリテック、国産初リモコン式小型ハンマーナイフ草刈機を開発！

IHIアグリテック（松本市・千歳市）と農研機構、福島県農業総合センターは、急勾配法面の雑草を刈り取れる国産初のリモコン式小型ハンマーナイフ草刈機を開発した。今月から台数限定で受注を開始する。

概要

急勾配法面における草刈作業は刈払機を用いて人手により行われる場合が多く、法面での作業となるため姿勢が不安定で、作業中の転倒・転落事故が多く発生している。また、中山間地域は平地に比べて法面等耕作地周辺の面積割合が高く、その管理作業が生産者の大きな負担となっており、作業者が安全な場所から効率的に草刈作業を行える草刈機の開発が要望されていた。リモコン操作で１m を超える雑草の繁茂した急勾配法面で作業を行うことができるハンマーナイフ式の草刈機について、現地試験等の結果、市販の草刈機（リモコン式、歩行型、刈払機）の２倍以上の作業能率で草刈りを行うことができた。

特徴

１．本機は、リモコンで操作するハンマーナイフ式の草刈機で、主に草刈部、走行部、操作部で構成されてる。
1）走行部は、クローラ式で、左右で独立した合計2個の油圧モータで駆動。油圧式無段変速機（HST）により車速を０～1.4m/sで調整し、左右の信地旋回、超信地旋回を行うことが可能。
2）草刈部は、ハンマーナイフ式で１個の油圧モータで駆動。また、電動シリンダで刈刃高さを20～200mmの範囲で調節可能。
3）操作部は、IP65防塵防水仕様のリモコン（周波数2.4GHz）を用いており、100m以上離れた場所からエンジンの始動、停止、前進・後進・旋回、草刈部の上下、非常停止等を行える。
4）機体の大きさが1,683×1,105×690mm、質量が346kgで、軽トラックや商用バン等でも運搬することが可能。

5）本機の最大適応傾斜角は45°です。45°を超える勾配でも作業可能な場合がありますが、搭載するガソリンエンジン（10kW）は、全方向最大45°までの勾配で運転が保証されている。
6）草刈作業は、本機を法面の等高線に沿って走行させて行い、法面端にて旋回させて次行程の作業に入ります。この動作を繰り返すことで連続作業が可能となる。
２．香川県善通寺市で行った試験では、平均斜度36°（最大38°）の急勾配法面において、草丈74cmの条件で、市販リモコン草刈機の２倍程度の能率で作業できることを確認できた。また、福島県相馬郡飯舘村で行った試験では、平均斜度36°（最大42°）の急勾配法面において、草丈155cmの条件で、市販の歩行型草刈機の２倍以上の能率で作業できることを確認した。