除菌装置開発製造の株式会社ワークソリューション(上伊那郡辰野町)は、大量の使い捨て手袋が廃棄されている点に着目。専用装置で油化し、ボイラーや重機の燃料として活用する事業化を目指す。
ニトリル手袋の熱分解を試したところ、総量の63%を重油や軽油に再利用できることが分かった。このほか22%がメタンや水素といった燃料に使えるガスで、15%がタイヤやホースの原料になる炭素粉末だった。 同社の荻原真二社長は「廃棄されたニトリル手袋のほぼ100%を再資源化できる」と話す。
回収対象となる手袋は石油由来のニトリルゴムと呼ばれる合成ゴムを原料とした手袋。食品や医薬品、精密機械など製造工場のほか、医療や介護の現場などに広く普及し、さらには新型コロナ禍で使用量が急増し、マレーシアからの輸入が拡大している。
同社は、大手の事業者や自治体に油化装置を導入してもらい、複数の事業所から出た手袋を一括して処理するビジネスモデルを考案。廃棄された手袋を回収するネットワークの構築や油化装置の販売を自社で担い、装置を導入した事業者が生成した重油を利用したり、販売したりできるようにする=下記イラスト
荻原社長は「廃棄手袋の処分に困っている取引先などに呼びかけ、リサイクルの採算が取れる量を回収していきたい」とした。
参考・引用:信濃毎日新聞(2023/9/8)