オリオン機器株式会社(長野県須坂市)は、ノンフロンインバーターチラーの発売を開始。公式Webサイトの技術情報内「お役立ち情報・環境・コラム」として、改めて環境問題などに触れている。
猛暑や豪雨、巨大台風などの異常気象の一因と言われる地球温暖化は、温室効果ガスの増加が影響していると考えられている。大気中に存在する温室効果ガスは、太陽熱を蓄える性質を持っており、これにより地球の平均気温が15℃前後に保たれ、逆に増えすぎると平均気温が上昇し続ける。異常気象のみならず、健康被害や海面水位の上昇による地表の水没など、生物にとって甚大な被害を引き起こすため、国際的に温室効果ガスを削減する流れが広まっている。
目次
温室効果ガスと地球温暖化とオゾン層破壊
温室効果ガスには、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロン類があり、全体の2%を占めるフロンガスは排出量の割合は少ないが、温室効果ガスとしての温暖化係数としては、二酸化炭素の1,000倍以上となる。オゾン層破壊物質である R12、R22 などの特定フロンは、大気へ放出されオゾン層へ到達すると、紫外線と反応し塩素原子を放出する。オゾン層にある酸素が、この塩素原子と結合し、オゾンが破壊される。
オゾン層破壊や地球温暖化など、環境に直接影響を与える指標として、オゾン層破壊係数(ODP)や地球温暖化係数(GWP)があり、これらの値が小さいほど環境への影響が小さいとされている。
フロンガスとノンフロンガスの違い
フロンガスは燃えにくく、液化しやすく、人体に毒性が無いといった多くの利点があり、チラーやエアードライヤーなど多くの冷凍製品に利用される。フロンガスは大きく分けてCFC、HCFC、HFCの3種類が存在し、このうちCFCやHCFCはオゾン層を破壊してしまうため、現行の製品ではHFC冷媒を採用している。
一方、ノンフロンガスは、Co2、炭化水素、アンモニア等の自然冷媒やHFOなどを指し、環境に優しい冷媒である。
※第一種特定製品 … フロン類が使用されている業務用冷凍機器
ノンフロンインバータチラー
- ノンフロン冷媒R1234yf(HFO)採用
- 環境負荷を大幅に低減、フロン管理工数もゼロ
- 3つのインバータで冷凍用圧縮機、ファン、ポンプを最適制御
フロンガスを使用しないことによる環境面以外での、ユーザーのメリットとしては、管理・廃棄のコスト削減があげられる。「フロン排出抑制法」により、第一種特定製品※には3カ月に1回の簡易点検、一定規模以上(7.5kW以上)の機器の場合、1年または3年に1回の有資格者による定期点検も義務付けられているが、ノンフロンガスについては、フロン排出抑制法の対象外のため、指定業者による回収や定期点検の義務がない。
また、冷凍用圧縮機、ファン、モータの回転数を3つのインバータがそれぞれ最適制御し、省エネと高精度±0.1℃の温度制御を両立している。
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