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長野県の経済動向〔2023年9月6日〕

目次

今月の県内経済総括

長野県経済は、生産に弱めの動きがみられるものの、持ち直している。

財務省関東財務局長野財務事務所

最終需要の動向をみると、設備投資は増加している。また、個人消費は緩やかに増加している。住宅投資は弱含んでいる。公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。
この間、生産は弱めの動きとなっている。雇用・所得は持ち直している。

住宅投資住宅投資は弱含んでいる。
設備投資設備投資は増加している。
設備投資は、23年度は前年度を上回る計画となっている。
輸出は、23年度は前年度を下回る計画となっている。
企業収益は、23年度は前年度を下回る計画となっている。
個人消費 個人消費は緩やかに増加している。
県内大型小売店(百貨店、スーパー)売上高(当店調べ<店舗調整前>)は緩やかに増加している。家電販売額は横ばい圏内の動きとなっている。新車登録台数は増加している。サービス消費は緩やかに増加している。
生産生産は弱めの動きとなっている。
半導体関連・電子部品等は減少している。
自動車関連は持ち直している。
機械・同関連部品等をみると、計器、工作機械、成形機およびバルブは横ばい圏内の動きとなっている。
飲料は持ち直している。
雇用・所得 雇用・所得は持ち直している。
雇用・所得は持ち直している。
有効求人倍率は、持ち直しの動きが一服している。雇用者所得は、持ち直している。就業者数は、下げ止まりつつある。
公共投資公共投資は横ばい圏内の動きとなっている。
物価消費者物価指数(除く生鮮食品)をみると、23/7月は前年を上回っている。
貸出金 貸出残高は、前年並みとなっている。
貸出約定平均金利は、緩やかに低下している。
預金 預金残高は、個人預金の増加により、前年比で1%台のプラスとなっている。

関東甲信越地域の企業等の主な声

公共投資

・大型の道路関連など土木工事を中心に、堅調に推移している。主要自治体における今年度予算案の公共事業関係費は概ね例年並みとなっており、当面、底堅く推移する見通し(横浜)。

輸出

・北米の完成車メーカーでは供給制約の緩和から操業度が高まっており、自動車部品の輸出が緩やかに持ち直している。先行きも完成車メーカーの挽回生産に伴って持ち直しが続く見通し(新潟[輸送用機械])。
・米国では労務コストの高騰で省人化投資のニーズが強まっており、食品検査を自動化する機械の輸出が増加している(横浜[電気機械])。
・取引先の在庫調整を受けて、中国向けデータセンター用の電子部品の輸出は減少が続いている(前橋[電子部品・デバイス])。
・中国でのPC・スマホの販売不振を主因に半導体パッケージ基板用の切削工具の輸出が減少。本格的な回復は 2024 年入り後と見込んでいる(本店[生産用機械])。

設備投資

・2024 年にはスマホ・PC向け半導体の需要が再拡大すると見込んでおり、能力増強投資を計画通りに実施する予定(松本[電子部品・デバイス])。
・慢性的な人手不足に加えて、賃上げなどにより人件費が増加していることから、手作業中心であった生産工程の自動化を推進している(新潟[生産用機械])。
・先行きの労働力の減少を見据えて、AIカメラ等による自動検査・検品が可能な食品製造工場を新設し、生産性の大幅向上を実現した(前橋[食料品])。
・EC市場の中長期的な拡大を見込み、大規模な物流倉庫を建設中。大規模な搬送用ロボットの導入など省人化対応を推進する(本店[運輸])。
・感染症の影響緩和に伴う業績回復を受け、見送ってきた大規模修繕などに着手。インバウンド誘客強化のため外国人の嗜好に合った部屋を増やす方針(本店[宿泊])。
・価格転嫁が仕入コスト上昇に追いつかず、収益状況が厳しいことから、今年度の設備投資は必要最低限の維持更新にとどめる方針(水戸[窯業・土石])。

個人消費等

・新型コロナの5類移行による国内の旅行需要の回復や、インバウンド客の利用増加から、宿泊部門の売上はコロナ禍前を上回っている(新潟[宿泊])。
・予算終了により全国旅行支援の予約受付を停止した時期には宿泊客が他地域に流れる動きもみられたが、国内観光需要の回復が続く中、7月の予約状況は前年を上回っている(前橋[宿泊])。
・マスク着用ルールの見直しや新型コロナの5類移行を受けて、低迷していた宴会需要が少しずつ回復し始めている(松本[飲食])。
・外出機会の増加から、化粧品や衣料品がはっきりと持ち直しているほか、レストランでもディナー時間帯の売上が本格的に戻ってきている(横浜[百貨店])。
・商品価格の上昇が続くもとで消費者の節約志向が強まっており、買い上げ点数の減少のほか、プライベートブランド商品や容量の小さい使い切りタイプの商品を選好する動きがみられている(松本[スーパー])。
・インバウンド客が多く訪れる観光地の店舗の客数増加を主因に、売上が伸長している。高付加価値の商品の販売も好調(甲府[コンビニ])。
・来店客数の減少により売上は前年割れとなっている。新型コロナの5類移行で、旅行などのサービス消費に需要がシフトしているとみている(横浜[家電販売])。
・半導体不足による納車遅延が徐々に緩和しており、登録台数は増加している(松本[自動車販売])。
・AIを活用したダイナミックプライシングを導入。AIが設定する価格は、当初は強気にも感じたが、インバウンドなどの需要増加を的確に捉えており、売上の拡大に寄与している(本店[宿泊])。
・原材料価格や光熱費の高騰を受け、値上げを実施。ただし、顧客離れを防ぐため商品ごとの値上げ幅にメリハリをつけ、主力商品の値ごろ感は維持。価格は当面据え置く方針で、今後の値上げは顧客反応などを慎重に見極める(横浜[飲食])。
・食品の小売向け価格の設定では、光熱費等の転嫁を進めていくが、原材料価格が落ち着いてきており、昨年後半ほどの値上げ幅にはならない見込み(本店[食料品])。
・日用品の値上げを進めているほか、光熱費高騰や先行き一段の人件費上昇の可能性を踏まえ特売も縮小しているが、アプリ会員向けクーポン等のターゲットを絞った販促強化などにより、客数を維持できている(本店[ドラッグストア])。

住宅投資

・建築コストの高止まりに加え、広範な物価上昇もあってマイホーム取得希望者のマインドが慎重化しており、持家を中心に受注が振るわない(水戸)。
・分譲マンションの需要は低金利環境のもとで堅調に推移している。ただし、今後さらに販売価格が上昇すれば需要減少も懸念されるため、立地や仕様等で訴求力の高い物件開発に注力する方針(横浜)。

生産

・完成車メーカーの生産回復を受けて、車載向け部品の受注は緩やかに持ち直している(松本[電気機械])。
・受注残解消に向けた完成車の増産を背景に、自動車部品の生産は増加している。もっとも、これまで供給制約の影響から幾度も受注の下振れを経験しており、先行きの下振れリスクも小さくないと認識している(横浜[輸送用機械])。
・世界的にスマホ・PC需要が低調なことから、半導体製造装置関連の受注は弱い動きとなっている(新潟[生産用機械])。
・中国での設備投資意欲が低下しているもとで関連の電子部品の受注が減少しており、工場の稼働日数を減らして対応している(松本[電子部品・デバイス])。

雇用・所得

・宿泊業では、国内の観光需要が堅調に推移するもとで、インバウンド需要も回復しており、人手不足感が一層強まってきている(横浜[行政機関])。
・外出機会の増加から衣料品需要が増加しているものの、技術者を中心とした人手不足で生産水準を引き上げられないため、一部受注を断っている(新潟[繊維])。
・従業員の不足から、都心を中心に夜間営業時間の延長ができない店舗が多く、売上増加の制約となっている(本店[飲食])。
・電気代等の上昇により収益面は厳しいものの、生産水準を維持するためには人材の係留が必須と判断し、賃上げに踏み切った。賃上げ率は他社の動向も踏まえて設定した(新潟[紙・パルプ])。
・人手不足の改善を目的にベアを実施したほか、早朝や夜間、祝祭日など、特に人手が不足する勤務に対する特別手当を引き上げた(松本[宿泊])。
・世の中の賃上げ機運が高まる中、今年度は定期昇給を含め数%程度の賃上げを実施。賃上げ継続の可否は、今後の収益状況を見極めて判断する(本店[飲食])。

※地域経済報告 さくらレポート(2023年7月)より抜粋

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