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江戸時代の全国ブランド”ひさかた和紙”産業化で担い手期待

写真 下久堅地区サイト「しもひさかた」より転載
写真 ひさかた和紙で作った小学校の卒業証書  伝統工芸体験,下久堅,ひさかた和紙の里 | VIVA!桜子の超気まま渋谷日記より転載

貴重な伝統文化を復活させようと、水引における国内随一の技術を持つ関島水引店(飯田市鼎)が、紙すき技術の継承や和紙の活用に取り組む「ひさかた和紙の会」と協力し飯田の伝統をブランド化を図った。

目次

ひさかた和紙の歴史

江戸時代、下久堅は原料となるコウゾが南向きの斜面に生え、水が豊富できれいであることから和紙作りには最適な場所であった。多くの農家が紙漉きに関わり、日当たりのよい庭先には紙漉き場が設けられ、農家の貴重な現金収入源であった。しかし洋紙の普及により和紙産業は衰退。昭和36年の「三六災害」を境に多くの農家が紙漉きを止められた。平成12年に地区内最後の和紙工場廃業。残念ながら現在は1軒もなく、和紙の一大産地だったことを知っている人は少なくなった。
そこで、かっての紙漉き農家の方々や公民館を中心として「ひさかた和紙保存会」を立ち上げた。小学校で和紙の材料である楮やトロロアオイを栽培し、児童が自分たちの卒業証書の用紙を自分の手で漉いている。和紙紙漉き体験場は、下久堅地区公民館に隣接されてる。

長野県飯田市下久堅地区場所 https://goo.gl/maps/32rqmRe9YxRN7bG29

和紙×水引のコラボレーション  Made in Shimohisakata


製 造 和紙:ひさかた和紙の会  水引:関島水引店
原材料 楮(コウゾ)下久堅産
商 品 ポチ袋
価 格 150円

「おいでなんしょ」エスバード(飯田市座光寺)売店にて販売。
今後も栞やのし袋も発売予定。

世界で愛される和紙

和紙は、障子やふすまなど日本の風景に彩りを与えてくれる1300年以上の歴史をもつ日本の伝統工芸である。実は、世界遺産システィーナ礼拝堂にある、イタリアの巨匠ミケランジェロの壁画『最後の審判』の絵の修復にも日本の和紙が活用されている。近年、和紙は世界でも注目されており、外国ではインテリアやアクセサリーとしても人気が高い。
和紙が世界中で愛される秘密はとにかく丈夫であること。一般の紙が100年程度で劣化するのに対し、最高級の和紙は1000年以上ももつとされている。
和紙は世界一長持ちする紙と言われ、奈良の正倉院には1260年前の和紙が当時と変わらず残っているほどである。
和紙は木の繊維(特にクワ科の楮(こうぞ)の木は、強い繊維を持つ)を残したまま絡み合わせて作る。繊維同士を絡ませるのにはオクラの仲間の植物である強い粘液の出るトロロアオイを糊として用いている。和紙は自然素材だけでできている。
丈夫で1000年以上たっても劣化しない。だから和紙は世界で愛されている。
手間暇かけてつくられる和紙。日本の伝統文化や技を受け継ぐ若い世代がいなければ続いていかない。今一度、日本の伝統文化と向き合ってみるべきではないだろうか。

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