センサーやモーター・航空・宇宙・防衛関連の精密機器メーカー、多摩川精機株式会社(飯田市)は、電動で人を乗せて空を移動する乗り物「空飛ぶクルマ」の市場に参入する。これまで民間航空機向けの機能部品開発や供給で培ったノウハウを生かし、関連事業を含む民間航空機関連の売上高を5年後に現在の3倍超の100億円へ引き上げる目標を掲げる。
空飛ぶクルマは、モーター駆動で温室効果ガスの削減などにつながり、都市部のほか離島、山間部などでの新たな移動手段としても注目を集める。
多摩川精機はこれまで、民間航空機向けにモーターや操縦かんの角度などを検出するセンサーや機体部位の駆動装置などを供給。
担当する熊谷秀夫専務は、「(空飛ぶクルマなど)次世代エアモビリティは軽量かつ高出力のモーターが不可欠」とし、これまで航空機分野で培った小型化や高出力化、安全性を保証した設計・開発力を生かせる―と自信を示す。これまでにモーターの磁石配列の工夫や人工知能(AI)を用いた設計などによって、同出力のモーターと比較して重量が10分の1以下の製品ができたとする。
参考・引用:信濃毎日新聞(2023/9/30)